古今堂インタビュー
この度、名古屋大須のレンタルスペース maison shintenchi(メゾンシンテンチ)では、
大阪の着物屋「古今堂(コキンドウ)」による「名古屋大須キモノフリマ」が開催されます。
リサイクル着物の魅力やお店ついて色々とお話を伺いました。
お店ややご自身についてお聞かせください。
着物に興味を持ち始めたのはいつ頃からですか?また、お店を始めたきっかけを教えてください。
−2015年に繊維メーカーを脱サラをして古物商をイチからスタートしました。
最初は着物以外の雑貨類を扱っていましたが、前職の経験や生地好きが高じて着物に特化しました。
リサイクル着物をメインに取り扱っていると伺いましたが、リサイクル着物の魅力を教えて下さい。
−それまで和装への憧れはありましたが、呉服屋さんら高価で敷居が高いイメージがあって、誂えたことがありませんでした。
リサイクル着物や木綿着物だと比較的リーズナブルに着れることが分かり、普段の暮らしで気軽に着れるのが魅力です。
「古今堂 オリジナル」商品はいつごろからはじめたのでしょうか。また、はじめたきっかけなども教えて下さい。
−たくさん仕入れをしていると、キズや汚れがあって着用が難しい着物が残ります。
数年ほど前、素材や柄行きは良いので廃棄するのはもったいないため、良い部分を残して自分たちで何か作れないかと考えました。
妻が洋裁と和裁ができるため、着物をリメイクした半幅帯を作りはじめたのがオリジナル商品の第一号です。
「オリジナル」を製作する上で、デザインやこだわりなど大切にしていることを教えて下さい。
−実用性と飽きにくい柄行きにこだわっています。
オリジナルの半幅帯は、素材を紬にこだわっています。
紬には節糸が用いられているため、生地が重なると緩みにくくなります。
また、大事な部分を手縫いで行うことで、ミシン抜いにはない遊びが生まれて、形態安定性も優れています。
そのため、普段の暮らしで長時間着用しても疲れにくい使用になっています。
柄行きは、着物とコーディネートしやすく少し遊び心のあるリバーシブル仕様にしています。
コーディネートをするとき「洋服と着物」は少し違うのかなと思い、いつも難しく感じてしまいます。どんな点を意識したら、素敵なコーディネートになりますか。
−和装には日本の自然観を現す素材や柄行きが多いので、
季節ごとの自然の風景を想い描いて、感性と知性を発揮して色合わせや柄合わせを楽しまれると、素敵なコーディネートになるかと思います。
洋服はメディアがトレンド情報やコーディネート情報をたくさん提供しているため、正解のようなパターンがいくつも外側から入ってきて自分の趣向と照合して決めがちです。
和装にはトレンドの色柄は特にないですし、型は一つですから、より自分の内面と向き合って表現できるので、ハマるとどんどん個性豊かなコーディネートができます。
着物を綺麗に着るポイントを教えて下さい。
−完璧に着付けよう、と気張り過ぎないのが綺麗に着る(見える)ポイントだと思います。
軸のラインを整えていれば、少しくらいズレていても、格好よく見えます。
着物に合う歩幅とか仕草が自然と身についたら、自然と通の着こなしになるかと思います。
好きなアーティストやショップ、影響を受けた人物、作品はありますか。(理由も教えてください)
−好きなアーティストは電気グルーヴやYMO。洋服だとイヴ・サンローラン、イッセイミヤケ。
好きなショップは大阪のメンズ服屋のマンボラマ、それと昔のWAVEやパルコといったセゾン文化には若い頃に強く影響受けました。
いずれもモノづくり店づくりにストイックだけど、楽しませる(ユーモア精神)が豊かで粋。独特な雰囲気・色気があるところ。
これからの目標や夢をお聞かせください。
−グローバルな世界のなかで、日本は日本人らしい自然観や衣食住を取り戻しつつ、グローバルな価値観や最新技術社会と調和することが、日本人が心身ともに豊かになるコツだと思っています。
日本中に和装を気軽に楽しむ裾野が広がるよう活動して行きたいです。
お忙しい中、ご回答いただきどうもありがとうございました。
「古今堂(コキンドウ)」による「名古屋大須キモノフリマ」の開催が楽しみです。
ぜひ足を運んでみてください。

古今堂(コキンドウ)
古今堂はリサイクル着物や民芸品を販売している着物屋です。
和の装いがもっと身近になってほしいという店主の思いから、よい素材・よい状態の着物を取り扱っています。
HP : https://kokindo-kimono.com/
Instagram : @kokindo2015
WEB SHOP : https://kokindo.stores.jp/