「La Campanella」 インタビュー
名古屋大須のレンタルスペース maison shintenchi(メゾンシンテンチ)では
4月16日(金)-18日(日)の3日間、アクリル画家ショウ・タクノ主催によるグループ展示、
「La Campanella」を開催いたします。
主催のショウ・タクノさんに今回の展示と作家活動についてお話を伺いました。
展示について教えてください
今回の展示「La Campanella」のテーマや、イメージがありましたらお聞かせください。
− はい。『La Campanella』とは、イタリア語で『鐘』を意味する言葉なのですが、さまざまなジャンルをバックグラウンドに持つ作家さんの作品が
『鐘の音のように共鳴し合う空間づくり』が、今回の大きなテーマとなっています。
今回の展示を企画するに至った経緯を教えてください。
− 良質な作品を手掛けているのに、展示に対して敷居の高さを感じておられる作家さんが多くいらっしゃることを知り、
『展示は絵画だけではない』というモチベーションを軸になにかできないかということがはじまりです。
SNS上で活躍されておられる作家さんの層の厚み、独創的なアプローチで表現されたアートの凄みなどを、リアルで体験していただきたいと思います。
主催のショウ・タクノさんに質問です
制作を始めたきっかけがあれば教えてください。
− はい。幼い頃から描くことが好きで、日常のありふれた景色や、誰も気にとめないような情景に特別惹かれるような子どもでした(笑)
いまでいうところの『エモい』ってやつなんですかね。
そういった見過ごされがちなワンシーンをどうにか自分のやり方で表現できないか、と真剣に取り組み始めて現在に至る感じです。
普段は作家、イラストレーターとしてどのような活動をされているのでしょうか。
− 以前はすでに企画された展示やイベントに参加することが多かったのですが、だんだんと自分で企画して好き勝手やるほうにシフトしてきています(笑)
自分の納得した空間で、いいものを作る方々とおもしろいことをやりたいっていう欲が大きくなってきて。
すごく独りよがりに聞こえてしまうと思うんですけど、自ら主催するとそういうことがしやすいんです。納得できるメンバーといいものを作る、そうするなかで新しい才能に出会って仲間を増やしていく。これを繰り返して大きな渦を生み出すことを理想、というか野望にして活動しています(笑)
作品を制作する上で大切にしていること、意識していることはなんですか。
− 自分てつくづく日本人だなぁって思うんですけど、枯山水の『水を表現するために水を引き算した』考えや、31文字で表現する和歌の洗練性がすごく刺さるんですよ。不完全さに美を感じるというか、あえて不足させることに魅力を感じるんです。
そういったものを自分の作品に落とし込んだとき、なにも描かれていない余白の部分に、ある種の不穏さというかじわじわくる不気味さを感じ取っていただけるといいなと。
あとは、極力センセーショナルな光景を題材として選ばないようにしています。誰もがイメージしやすいようなリアルに属したテーマを描いて、人々の記憶のなかに隠れているものを引き出すほうが面白いと思うからです。
影響を受けた作家や人物、出来事などありましたら教えてください。
− ソール・ライターとルイジ・ギッリですね。このおふたりは写真家なのですが、自分の作品に近いものを感じるんです。いい意味で曖昧に、対象をハッキリ提示しない撮り方、被写体との距離感がすごく共感できて、想像力を掻き立てるんです。
映画監督のスタンリー・キューブリックや太宰治、フランツ・カフカといった作家さんからの影響も大きいですね。
今後の予定や、やってみたいことはありますか?
− いまのアートシーンにあまり心踊らされるものがないというか、型にはまった作業の繰り返しのように思えることが多くて。そこに自分の理想像が見つけられないでいる状態なので、それなら自分で作ってしまおうかと。基本的に、自分の活動に関わるものすべてには血が通っていないと満足できなくて(笑)
そういうこともあって〈JOMSBORG〉っていうチームを立ち上げたんです。今回の展示もそのチームが主体でやっていて、今後も活動規模を大きくして巻き込み的に膨張していくといいなって思っています。
ショウ・タクノさんお忙しい中どうもありがとうございました!
様々な作家が混ざり合い『鐘の音のように共鳴し合う空間づくり』とても楽しみです。
ぜひ会場に訪れて展示空間を体感してみてください。
グループ展 「La Campanella」
【開催日時】
2021-4-16(金)~4-18(日)
16日 14:00〜19:00
17日 11:00〜19:00
18日 11:00〜17:00
ショウ・タクノ
アクリル画家。
東海地方を拠点に、グループ展の企画・運営を行うチーム『JOMSBORG』代表としても活動中。
今回開催いたします『La Campanella』の展示プロデュースもさせていただいております。