【9.20-9.22】大槻香奈作品集「ゆめの傷口」出版記念展
この度、名古屋大須のレンタルスペース maison shintenchi(メゾンシンテンチ)では、
イラストレーター「大槻香奈」による「大槻香奈作品集「ゆめの傷口」出版記念展」が開催されます。
大槻香奈の2007年デビュー当時から2024年の新作までを辿
長年少女モチーフを通して、捉え難い現代日本の情景や心情を絵画によって表現してきました。現代日本の空虚さを「うつわ」として捉え、東日本大震災やコロナ禍など時代によって扱うテーマを変化させながら、作品によって鑑賞者あるいは自分自身との対話を試み、気付けば今年で活動17年目となります。
作品制作は、常に自分や時代の抱える現実的な問題を発端としていながら、「夢」の視点を取り入れることで作品世界が成立しています。芸術は悲しみと傷によって生まれる側面があり、そこから祝福への道を作るうえで、現実と地続きでありながら視点の異なる、希望的な意味での夢を扱う必要があったのです。自分の置かれている現実が険しくなればなるほど、自身に夢をみる力が問われていると感じ、それこそが未来を生き抜く力になると信じてきました。
この度の作品集ではその「夢」の部分にフォーカスを当て、私達の心の逃げ道を確保すると共に、夢を通じて過去と向き合うこと、そして同時に未来を夢想しイメージすることで、逃れようのない現実との向き合いを絵画の芸術によって乗り越えようとしています。
現代日本や自身の中心性の無さを「うつわ」として捉えてみること、そこから夢をみることは、何もない側面を持つ「わたし」や「あなた」の存在を互いに忘れずにいることと繋がるのではないかと思っています。私の絵画の中にある「うつわ」と「夢」が、孤独なまま他者と繋がる、私達の新しいコミュニケーションの始まりのために機能することがあれば嬉しく思います。
maison shintenchiでの開催は3都市巡回出版記念展の最後の場所となります。大槻さんの世界観をお楽しみください。
皆さまのお越しをお待ちしております。
「大槻香奈作品集「ゆめの傷口」出版記念展」
【開催日時】
2024-9-20(金)~9-22(土)
大槻香奈
1984年生まれ。京都府出身、東京在住の美術作家。
嵯峨美術大学客員准教授。
国内外で絵画作品を中心に精力的に活動している。書籍の装画などでも多くの作品を提供。
また、いくつかのギャラリーで作品の公開制作(製作)をするオープンアトリエのイベントを開催。
2019年よりフィルム写真作品も始める。
HP:https://ohtsuki.rillfu.com/index.html