Bitte(びって) インタビュー
名古屋のレンタルスペース maison shintenchi(メゾンシンテンチ)では
8月2日(金)-8月4日(日)の3日間、イラストレーターBitte(びって)さんによる展示「個展だよ」を開催いたします。
Bitteさんはもともと人事担当のOLとして勤めており、たくさんの働く大人達を見てきたそうです。
作品を通して社会に疲れた人を癒したり凝り固まっている頭をほぐすことができたら、という想いから2018年9月より制作活動を開始しました。
Bitteさんのことを多くの方に知っていただくため、今回の個展や活動について伺ってみました。
Bitte(びって)さんについてお聞かせください。
イラストレーターを始めたきっかけなどありましたら教えてください。
− 小学校のころから創作することが大好きで、いろいろなことを思いつきで取り組んでは辞めての繰り返しでした。
筆箱やかばんを作ったり、既製品の時計を絵の具で色を塗り替えてアレンジしたり、
大きな作品だとゆかたを布から作ったこともありました。
大人になると日々の生活に追われて創作活動を完全に忘れていましたが、
ホワイト企業に転職して時間ができたことをきっかけに自分を見つめ直し、
忘れていた創作活動を再開するためまだやったことのなかった絵を描いてみようと考えiPadとApple Pencilを購入しました。
これが自分にすごく合っていて描き続けるようになりました。
アーティストネーム「Bitte」の由来を教えてください。
− Bitteはドイツ語で『どうぞ』という意味です。
※他にも「どういたしまして」や「もう一度言ってください」などいろんな使い方がありとっても便利な魔法の言葉です。
ドイツ人は毎日1回は使うんじゃないかというくらいBitteは日常にあふれている言葉です。
大学でドイツ語・ドイツ文化を学んだことから自分の考え方や感性にかなり影響を受けたのでドイツ語を使いたいと思い、一番馴染みのあるBitteにしました。
今回の展示「個展だよ」はどのような内容なのでしょうか。
− 社会に疲れた人を癒すため・心柔らかくするためにゆるい絵を展示します。
いままでの作品とTシャツやスマケースなどのグッズを展示・販売いたします。
人事の仕事を通じて多くの疲れた社会人を見てきて、もっと頭柔らかく考えられる人が増えたらいいなと思っていました。
絵そのものを見て癒しになってもらえたらとても嬉しいですが、それだけではなく絵を描きはじめたばかりのOLが楽しいというだけで個展を開催することで「もっとみんな自由な発想で生活していいんじゃないかな」というメッセージを伝えたいです。
初個展とのことですが今回展示に向けて特別にしてきたことはありますか。
− 個展に向けてクラウドファンディングに挑戦しました。
会場レンタル代だけでもご支援いただけたら作品制作などにもっと力を入れることができると考えたためです。
万が一達成しなかったとしても個展やBitte自体を知ってもらえるいい機会だと思い挑戦しました。
結果は目標金額¥50,000に対し¥125,588で251%も達成することができました。
クラウドファンディングを通じてたくさんの人に応援してもらえたこととBitteの活動に対する本気度が伝わったと多くの人に言ってもらえたことがとても嬉しかったです。
普段作品を制作する際に心がけていることや大切にしていることはありますか。
− 『ゆるさ』を大切にしているため手描きにこだわっています。
たとえばまっすぐな線を引くときもデジタルアートのため便利な機能は使えますが
ほとんど手でまっすぐな線を引きます。
手で描くと曲がってしまったり筆圧の加減で太いところと細いところができてしまったりしますが、
そういう人間味のあるタッチが好きなので、あえてそのまま残したりしています。
画材は何を使用していますか。使用理由などもありましたら教えてください。
− いまのところiPadとApple Pencilを使用してお絵かきアプリで絵を描いています。
独学で知識のない状態から始めたため、ただ単にこの2つのアイテムで無限に絵が描けるという理由だけで
最初に手に取ったのがこのスタイルでした。気に入っているところはいつでもどこでも絵が描ける点で、
家のソファで完全に気を抜いている状況や電車の中で帰宅中に絵を描くこともあります。
リラックス状態から集中モードに切り替わることが多いのでBitteには本当に合っています。
描き続けているうちにデジタルもアナログもそれぞれ魅力があることが分かってきたので、
今後は絵の具などアナログにも挑戦したいと思っています。
影響を受けた人物や物、場所はありますか。
− 間接的ではありますが、海外への興味が絵にとても影響しています。
14歳のときにオーストラリアでホームステイしたのをきっかけに海外の文化にとても興味を持つようになりました。
その延長で大学でドイツ語を学び、ヨーロッパ文化がいかに日本と違うかを知り、その考え方にとても影響を受けました。
その頃からものの全ての見方が「日本ではこう考える人が多いけど、ヨーロッパだったらこうなのかな」とか、「この考え方はとてもアメリカ的なんだろうな」とか比較して考える癖が付きました。
だからこそ日本の働き方が堅苦しく思えることがあり、「もっといろんな考えがあっていいんじゃないか」
ということを絵を通じて伝えたいと思うようになりました。
今後やりたいことはありますか?
− 個展の活動がとても楽しいので定期的にオフラインイベントに参加したいと思っています。
名古屋に限らず大阪や東京でもグループ展や個展で出展してみたいです。
2019年3月にJCAT(ニューヨークに拠点を置く日本現代アーティストチーム)に所属したため
いつかニューヨークでのグループ展にも参加したいと思っております。
Bitteさんお忙しい中どうもありがとうございました!
作品やグッズに込められた自由な発想や視点を楽しみに、ぜひshintenchiへ足を運んでみてください。
【開催日時】
2019-8-2(金)〜8-4(日)
2日 12:00-19:00
3日 12:00-19:00
4日 12:00-18:00
Bitte(びって)
1990年生まれ岐阜県多治見市出身。名古屋市在住。人事担当のOLとして生きてきたが2018年9月から絵を描きはじめる。
自作のキャラクター リップちゃん(顔がクチビルになっている人間)が日常風景に溶け込んだ様子をデジタルペンにてポップに描いている。
人事担当として堅苦しく働く大人をたくさん見てきてもっと柔軟に考えられる人が増えたらいいのにと思っている。
夢は日本の働き方にいい影響を与えられるようなアーティストになることと海を渡って活躍しポジティブな風を逆輸入すること。
Bitte HP: https://bitte.thebase.in/